今回は、意思決定を行う際に手助けしてくれる手法であるAHP:階層分析法(Analytic Hierarchy Process)を紹介します。(本記事には一部個人的見解が含まれます)(2021年11月現在)
AHPは、いつ使えるの?
例えば、
- ごはんを食べに行く店
- 人に会いに行くときに着ていく服
- 卒業旅行で行く場所の決定
など、選択肢と、それを決めるための評価基準を、要素毎にばらすことができる問題は、AHPで考えることができます。
AHPってどうやって使うの?
AHPの基本的な考え方や使い方は、このサイトを見ればわかると思います。
AHP(階層分析法; Analytic Hierarchy Process)の分析の流れ
ここで重要なことは、必ず、すべての項目で一対比較を行うことです。
例えば、ケーキを買う場合を考えます。
評価基準が、おいしさ、値段、インスタ映え
の三つであれば、
- おいしさ VS 値段
- おいしさ VS インスタ映え
- 値段 VS インスタ映え
で比較します。
選択肢が、300円のかわいい見た目で味は普通のショートケーキ、400円のシンプルな見た目のおいしいチョコケーキ
の二つであれば、
- おいしさについては ショートケーキ < チョコケーキ
- 値段については ショートケーキ > チョコケーキ
- インスタ映えについては ショートケーキ > チョコケーキ
となります。
おいしさなど、計量化が難しいものでも、一対一なら数値をつけれるので、他人に説明する際などに、論理的に話せます。
例えば、
ということです。
AHPを実践しよう(複数の内定から一つを選択)
実践的な例として、複数の内定をもらった場合の意思決定の手助けに、AHPを使う方法を見ていきましょう。
まずは、評価基準を考えます。
今回は、この6つを評価基準にします。(この部分は、各自で違ってくるはずです)
次に、それぞれを一対比較をしながら、数値を与えていきましょう。
このソフトウェアを使うと、簡単に計算ができます。
ここで、C.I.の値が大きすぎる場合は、評価基準を再検討してみましょう。
AHP(階層分析法; Analytic Hierarchy Process)の分析の流れ を参考にしながら、重みを、グラフ化します。
グラフから、業務内容を一番重視していて、勤務地は、あまりこだわりがないことが分かりますね。
では、各評価基準について、次は企業を一対比較していきます。
ここでは、A,B,C,D の4社から内定をもらったとします。
まずは、業務内容について、、、
このような結果になりました。(一番右が重みです。)
他の評価基準でも、一対比較をしていきましょう。
重みのデータだけをまとめます。
ここで、各企業の要素毎の重みに、 評価基準の重みを掛けることで、総合評価値が算出されます。
AHP(階層分析法; Analytic Hierarchy Process)の分析の流れ を参考に、この結果もグラフ化してみましょう。
総合評価では、
A社
B社
D社
C社
の順番になり、上2つと下2つでは差があることが分かりました。この結果から、A社かB社のどちらかから決めるのがよさそう、ということが言えますね。
まとめ
ここまで、AHPについて紹介してきました。意思決定の際に、AHPを使うことで、より論理的に考えることができます。長期間の旅行先を決めるのに使うにはいいですが、一人でご飯を食べに行くのに使うのには時間のかかりすぎますね・・・。重要なことを決める時や、意思決定のプロセスを人に伝えたい時、選択に迷った時の最後の一押しなどに、この手法を使ってみましょう。
参考文献
AHP(階層分析法; Analytic Hierarchy Process)の分析の流れ